『青い鳥』の赤ちゃんの国
童話『青い鳥』にでてくる、生まれる前の赤ちゃんたちがいっぱいいる世界がほんとうにあるようです。実はわたしも信じているのだけど・・・。
一児の母であるSちゃんは、次に生まれてくる子の夢を度々見るそうで、その子とお話もできるんだって。いつ生まれるかや、性別を決めていいよと言ってくれるそう。その次に生まれる子も順番待ちをしているのですって。
もし、わたしも生まれる前の子どもとお話ができたらよかったのにな!と思いますが、ずら~っと行列を作っている様子を思い浮かべただけで楽しいですよね。
それにしても、どうしてわたしたちという親を選んでくれたのだろう?
むかしむかし、あるところに、まずしい二人の子どもがいました。
お兄さんの名前はチルチル、妹の名前はミチルと言いました。
クリスマスの前の夜のことです。二人のへやに、魔法使いのおばあさんがやってきて言いました。
「わたしの孫が、今、病気でな。しあわせの青い鳥を見つければ病気はなおるんじゃ。どうか二人で、青い鳥を見つけてきておくれ」
「うん、わかった」
チルチルとミチルは鳥カゴを持って、青い鳥を探しに旅に出ました。
チルチルとミチルがはじめに行った国は、『思い出の国』でした。
二人はこの国で、死んだはずのおじいさんとおばあさんに出会いました。
「人は死んでも、みんなが心の中で思い出してくれたなら、いつでもあうことができるんだよ」おじいさんは、そう言いました。
そして、チルチルとミチルに、この国に青い鳥がいることを教えてくれました。
ところが、『思い出の国』を出たとたん、青い鳥は黒い鳥に変わってしまいました。
チルチルとミチルは、つぎに病気や戦争など、いやなものがいっぱいある『夜のご殿』に行きました。ここにも、青い鳥はいました。
つかまえて『夜のご殿』を出たとたん、青い鳥はみんな死んでしまいました。
それから二人は『ぜいたくのご殿』、「森」、「墓地」と青い鳥を探しに行きましたが、青い鳥はつかまえられなかったり、つかまえても死んでしまったりして手に入りません。
生まれる時を待っている赤ちゃんがいる『未来の国』に行きました。
「未来の国」での生まれる前の子供たちはみな手に袋を持っています。生まれる時は必ずその袋をお土産にもって生まれないといけないそうです。一人の子供がチルチルのところへやってきます。
「チルチル、こんにちは」
「どうして、僕の名前を知っているの?」
「・・・君の弟になるんだもの・・・」
「なんだって? 君、僕のうちに来ることになっているの?」
「ええ、そうなんです。来年の復活祭の前の日曜日にね。・・・」
「時」が生まれる扉を開けにやってきました。「時」は、子供たちがちゃんとお土産の袋を持っているかチェックしています。
「・・・それからお前は何を持ってきた? 何も持ってこないと? 手ぶらか? ではここを通ることはならん。何かを用意してこなけりゃいかん。大きな罪でも、病気でも、・・・何かを持ってこなければだめだ。」
「時」は生まれる扉を開け、生まれる船に子供たちを乗せ、さあ出発です。これから生まれる子供たち、まだ生まれない子供たちの間にどよめきが起こり、みんな急いで別れのあいさつをかわします。
生まれる船は出発し、乗船した子供たちからは、
「地球だ、地球だ。見えるよ。きれいだなあ。明るいなあ・・・」
・・・・・「さあ、起きなさい。今日はクリスマスですよ」
お母さんのよぶ声が聞こえました。
目を覚ますと、二人は自分たちの部屋のベッドの中にいました。
青い鳥を探す旅は、終わったのです。
チルチルとミチルは、とうとう青い鳥をつかまえることが出来ませんでした。
でも、チルチルとミチルが、ふと鳥カゴを見ると、中に青い羽根が入っているではありませんか。
「そうか、ぼくたちの飼っていたハトが、ほんとうの青い鳥だったんだ。しあわせの青い鳥は、ぼくたちの家にいたんだね」
二人はお互いに顔を見合わせて、ニッコリしました。
魔法使いのおばあさんは二人に、しあわせはすぐそばにあっても、なかなか気がつかないものだと教えてくれたのです。
「未来の国」からやってくる子どもたちは、地球での宿題、あるいは課題を袋に入れてもってくるのですね。その学びを経験するための環境として、場所や親を選ぶのでしょう。
そうして生まれてきてくれた子たちにどれだけ愛情をそそげるか・・というのも親にとっての修行だと思います。
生まれる意味、いま・ここに生きる奇跡を考えたら、地球上のすべての命を大切にするために修行を積みましょう。
・・・8月10日は、島ファミの第8子、朔ちゃんの命日なので暑い暑い夏が来ると、走馬灯のように思いがめぐります。
いつか『思い出の国』で再開できますね・・・きっと。
チルチルに話しかけた、チルチルの弟として生まれる予定の子の手に持ったお土産というのが、
「僕、三つの病気を持っていくんだ。猖紅熱と、百日咳とはしかだよ」
「へえ、それで全部なの? それからどうするの?」
「それから? 死んでしまうのさ。」
「じゃ、生まれるかいがないじゃないか。」
「だって、どうにもならないよ。」
「どうにもならない」といっても、これから生まれてくる子たちのお土産が決して大きな試練ではないことを祈ります。
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